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相続人が行方不明!遺産分割協議はどうなるの?

公開日:2021.04.13
遺産分割
相続人が行方不明!遺産分割協議はどうなるの?

相続が発生したが、相続人の中に家出をして連絡が取れない人がいる……。
このような場合でも、遺産分割協議は相続人全員が参加しなければならず、行方不明者を抜きにして遺産分割協議書を作成することはできません。

行方がわからない相続人がいる場合の相続手続きについて、お話しします。

東京事務所

行方不明の相続人がいる場合には

行方不明者の財産管理人を選任

被相続人(亡くなった方)が残した財産を分割するためには、相続人全員で話し合って分け方を決め、同意する必要があります(一人でも欠けた場合は無効)。
そのため、相続人の中に行方不明者がいる場合、そのままの状態で遺産を分割することはできません。

相続財産は未分割となり、行方不明者以外は民法上の法定相続分により相続税の申告をすることになります。

遺産分割協議ができないと、不動産の相続登記を行えず売却ができない、銀行口座の解約ができないといった問題がでてきます。

そういった場合には、失踪宣告(しっそうせんこく)の制度と、不在者の財産管理人制度がありますので、行方不明の原因や状況により、どちらかを利用して遺産分割協議を行い相続税の申告をします。

失踪宣告の申し立て

失踪宣告は、行方不明の相続人(不在者)の生死が7年間以上不明であるとき(普通失踪)、利害関係人が家庭裁判所に申し立てをすることにより、一定の条件の下に不在者を死亡したとみなす制度です。

震災・水害などの危難(きなん)が原因の場合、危難が去ってから1年以上行方不明であれば(危難失踪)申し立てができます。

※失踪宣告を受けた人の生存が後から確認された場合には、当然のことながら「失踪宣告の取り消し」手続きが必要になります。

失踪宣告を受けた行方不明者は法律上、「死亡したもの」として扱われますので、遺産分割協議の参加義務はもちろん、相続人から除外されることになります。
代わりにその人の法定相続人がいれば、遺産分割協議に参加ができます。

失踪宣告の申し立ては、利害関係人が、行方不明者の最後の住所地または居所地を管轄する家庭裁判所に申請します。
失踪宣告の手続きには1年~1年半ほどの時間がかかることがあるため、相続税の申告期限(10カ月以内)を考慮すると、次に説明する「財産管理人の選任」をして遺産分割をすすめることが多いといえます。

※なお、相続人の生死が7年以上不明の場合でも失踪宣告の申し立てはせずに、行方不明者(不在者)の財産管理人の選任を請求することもできます。

行方不明者(不在者)の財産管理人を選任

生きている可能性が高いが相続人の所在がわからない、行方不明になってから7年未満の場合には、相続人などの利害関係人が、行方不明者の最後の住所地または居所地を管轄する家庭裁判所に財産管理人の選任を請求することができます。

不在者の財産管理人は、家庭裁判所が書類を確認し、利害関係を考慮した上で選出します。
利害関係のない親戚や友人などを候補者にすることもできますが、弁護士や司法書士などの専門家を候補者にすることが多いようです。

選出された財産管理人は、家庭裁判所に「権限外行為の許可」を申請し、認められた上で遺産分割協議に参加することができます。

このように、連絡が取れない家族がいる場合には、通常の相続より手間と時間がかかってしまいます。

※個別の事情により、今回ご紹介した手続き以外の方法で遺産分割を確定させる方法もあります。事前に確認と検討が必要です。

できるだけスムーズに手続きを進めるためには、生前のうちに遺言書を作成するなどの準備を行うと安心です。お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

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