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相続した空き家を売却する前に。3,000万円まで控除される特例のご紹介

公開日:2022.02.25
その他

代襲相続

団塊世代の相続が増加し、親の家の片付けに悩んでいる方が全国的に増えているようです。こうしたなかで平成28年(2016年)に制定された相続空き家の特例という制度をご存じでしょうか。

今回は、相続空き家の特例についてのおもな要件や注意点についてご説明します。

執筆:辻・本郷 相続センター沖縄事務所

相続空き家の特例 制度の概要

この特例は平成28年度税制改正で創設された制度です。もともと親が住んでいて相続後は空き家のままになっている自宅を、相続で取得した相続人が売却して利益が発生した場合に、利益から3,000万円まで控除することができるという制度になります

あまりなじみのない制度ではありますが、相続後に空き家となっている家屋の売却を検討されている方は、ぜひ専門家への相談をおすすめします。

特例を受けるための要件は?

空き家特例を受けられる方は、被相続人が住んでいた家屋と敷地の両方を相続した相続人が対象になります。
この要件から、たとえば家屋と土地を別々の相続人が相続しているような場合には対象外になります。

対象期間は平成28年(2016年)4月1日から令和5年(2022年)12月31日までに売却した場合となります。

また、対象となる家屋は、昭和56年(1981年)5月31日以前の旧耐震基準で建築された家屋が対象で、売却価額も1億円以下という制限があります。
そのほか、相続開始直前に自宅に被相続人以外の同居親族がいないことや、相続が発生した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が必要となるなどの要件があります。

「居住用財産の特別控除」とはどう違う?

自宅を売却した際に利用可能な優遇措置として「居住用財産の特別控除」(3,000万円控除)という制度がありますが、居住用財産の特例は自己の居住用財産の売却が要件になっていますので、空き家の場合にはあてはまりません。

相続後ずっと空き家のままという状態であれば上記の特例ではなく、相続空き家特例を検討することになります。
ただ、相続空き家の特例は居住用財産の特例に比べると、建築年月日に条件(旧耐震か否か)が設けられているなど制限が多く、適用のハードルは高いといえます。

適用上の注意点

この制度は、旧耐震基準のもとで建築された耐震性の低い空き家の増加の抑制を目的とした制度です。
よって、旧耐震基準で建築された家屋をそのまま売却しても適用できません。

つまり、耐震リフォームを行うなど耐震性を向上させて売却を行うか、旧耐震の古い家屋を解体して売却しなければ適用されませんので、とくに注意が必要です。

その他、マンションなどの区分所有登記がされている物件は対象外になります。

また、相続発生後、売却までの間に相続人や他の親族がその自宅に住んでいたり、他人に貸して使用させているような場合にも利用できませんのでご注意ください。

ただ、自宅を相続した相続人が親の自宅に転居し、その後何らかの事情で売却することになった場合には、先に説明した居住用財産の特例が適用できる可能性があります。

相続空き家の特例 説明図

国税庁資料「平成28年度 税制改正のあらまし」掲載図をもとに辻・本郷 相続センターが作成

特例を利用するには、不動産業者および税理士と相談しながら進めていくことが重要

空き家特例の利用を前提に検討するのであれば、先に説明したように解体あるいは耐震リフォームが必要になりますが、解体するよりもリフォーム工事を行うほうが費用が抑えられて高く売れるケースもあると思いますので、不動産業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。

この特例は要件も多く条件が厳しいため、制度を利用できるかどうか判断に迷うことも多いと思います。
空き家となっている自宅の売却を検討する際には、まずは一度相続専門の税理士が所属する、私たち辻・本郷 相続センターにご相談ください。

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